求人広告で最も大事なポイントは1つ
「こんなにいい人材からからの応募がくるなんて、本当にありがとうございます！」
以前、私たちが採用支援しているお客さま企業からこう言っていただけたことがあります。
これはある就職雑誌・サイトに求人広告を出し、応募数を10倍にしたときのことです。今回、この好事例をご紹介します。
それまでこのお客さま企業は、他の採用支援サービス会社に依頼して、求人広告を出していました。応募数は月に2～3人だったそうです。
この会社の仕事内容は、業務用廃棄物をトラックで回収するドライバーという、いわゆる不人気の職種。
給料も相場より低く、「逆に、応募者が2～3人もあるんだ！」というのが正直な印象でした。
大変失礼ではありますが、その正直な印象をこの会社の社長に伝えると、「応募してもらえるようにいろいろとやってるんだよ」と笑顔で答えてくれました。
その笑顔は、社員のみなさんが「本当にいい社長なんです」と心の底から言われているのがわかるほどの笑顔でした。
「応募がまったくない」という求人広告を見せてもらうと、そこにはいろんなことが書かれていました。
「長距離の運転はないので、体力的にもラクな仕事！」とか、「プレミアムフライデーを導入している！」「駐車場無料だから車通勤できる！」「たまに社長の奥さんがご飯を作ってきてくれる！」「副社長が社員の話をよく聞いてくれる風通しの良い職場！」「がんばり次第で給与アップ」などなど、、、。
たくさん書いてあったのですが、「何がこの会社で働く最大のメリットなんだろう？」「なんで応募が来るんだろう？」「この会社で働いている人は何に満足しているんだろう？」といろいろと話を聞き、その上で「ぜひ、われわれに求人広告を任せて欲しい！」とご提案し、仕事を発注していただきました。
そして、求人広告を出すと、10倍以上の応募数がきました。
一体、われわれは何をしたのか？
応募を10倍にした方法、それは「この会社で働く魅力・特徴」を1つにしぼっただけです。
求人広告に限らず、普通の販売や集客の広告も同じですが、セールスポイントが多い会社や商品、サービスなどは、ついついどれも伝えたくなってしまいます。でも結局のところ、多くを伝えれば伝えるほど、お客さまの頭は混乱していき、特徴がわからなくなってしまうわけです。
どれだけ話しても伝わらないのであれば、何も話さないのと同じになってしまいます。それであれば、たった1つの「魅力・特徴」で広告を組み立てた方が伝わりやすくなり、お客さまの心も動きやすくなります。それは求人広告でも同じです。「この会社で働く魅力・特徴」を1つにしぼるのです。
では、「この会社で働く魅力・特徴」をどうしぼったのかというと・・・
それは「家族を大切にできる働き方ができる」でした。
社長も家族を大切にされていて、社員にも家族を大切にする働き方ができるようにいろいろと考えられていました。
「ドライバーの方は長距離があると、泊まりになるので家族との時間が取れないことがあるけど、うちはない」とか「プレミアムフライデーも、早く帰れる日があると奥さんに喜ばれる、子どもが小さいと日々大変だから」「社長の奥さんもめちゃくちゃ社員やその家族のことを気にかけてくれる、近くに親がいないからとても助かった」など、いろんなエピソードが聞けました。
その「家族を大切にできる働き方ができる」に絞って求人広告に書いたら・・・応募数は10倍になって、いい人材が採用でき、どんどん会社が大きくなっていきました。われわれが採用支援を担当させていただいて、グループ会社が2個できるまでになりました。
伝えている内容は同じなのですが、「この会社で働く魅力・特徴」を1つにしぼったことによって、わかりやすくなり、メッセージがしっかりと伝わるようになりました。
そのため、この会社と同じ価値観をもっている人からの応募がくるようになりました。(ちなみに、プレミアムフライデーが流行り出した時だったので、導入してアピールポイントとして書いていたそうなのですが、そうすると「金曜日早く帰りたい人」が集まってしまって、採用はできていなかったそうです。)
アピールポイントがたくさんあるのはいいのですが、たくさんのことをアピールしまうと、「この会社で働く魅力・特徴」は伝わりません。しかも、求める人材がこないことになってしまいます。この話からもわかるように、この会社で働く魅力・特徴を1つにしぼって話を進めていった方が成果が出るわけです。
では、「この会社で働く魅力・特徴」を1つにしぼる方法
「この会社で働く魅力・特徴」を1つにしぼった方がいいという話をすると、「じゃあ、どうやってしぼればいいの？」という疑問が浮かんでくるかもしれません。そんなときは、下記の人間の8つの根源的な欲求をヒントに、1つにしぼるといいですよ。
1.生き残り、人生を楽しみ、長生きしたい
2.食べ物、飲み物を味わいたい
3.恐怖、痛み、危険を免れたい
4.性的に交わりたい
5.快適に暮らしたい
6.他人に勝り、世の中に後れをとりたくない
7.愛する人を気遣い、守りたい
8.社会的に認められたい
今回の好事例としてご紹介した「応募数10倍になったエピソード」は、「7.愛する人を気遣い、守りたい」の欲求を刺激できたのです。
例えば、20代がターゲットであれば、「6.他人に勝り、世の中に後れをとりたくない」や「8.社会的に認められたい」の欲求がありそうです。一方で50代以上であれば、「1.生き残り、人生を楽しみ、長生きしたい」が考えられます。
このように欲しい人材に合わせて、どれが最も響くのかを考えていくのがいいでしょう
「この会社で働く魅力・特徴」のアピールは1つにしましょう。その方が圧倒的に成果が出ます。
もしあなたが求人広告を出していて、「この会社で働く魅力・特徴」を複数書いているなら、、、勇気がいると思いますが思い切って1つにしぼってみてください。
